【商標権・特許・知的財産】実際にあった特許の事例を解説【知財を事業化する専門家・大阪の弁理士】
みなさんこんにちは
知財事業の専門家 弁理士の山本です。
本日は「相対的知財力」について
説明させて頂きます。
「知財力」と言いましても
なかなか馴染みのない言葉です。
ここでは「特許の強さ」
ぐらいに考えて頂ければと思います。
■特許の強さ
例えば大手の企業が
1000億の商品を売っているとします。
その1000億の商品に
特許も100件ぐらい取って
ガチガチに特許を守って
商品を売っている。
一方で
1億円ぐらいの、
少し小さめの市場があったとします。
同じような商品を
小規模の事業者さんが
特許1件だけとって
事業をしている。
そういった状況を
想定して頂ければと思います。
この場合ですね、
大手の企業さんは
1,000億の商品の中に
小規模の事業者さんの特許を
1件たまたま侵害してしまっていた
とすると
この1,000億の商品すべてが売れなくなります。
1000億の市場なので
特許を1件踏んでしまうという事は
充分あり得ることかなと思います。
一方で、
この小規模の事業者さんは
1億円の市場で
小さくビジネスをしながら
1件の特許で事業をしている
と言う状態ですので
比較的この1件1億円の商品に
大手企業の１００件の特許を
回避しながら事業をする
ということは容易になります。
この状態であれば
大手の企業は
小規模の事業者さんの
「1件の特許」が邪魔になって
事業がやりづらい。
事業ができない。
ということになります。
■小規模の事業者さんの優位性
大手の企業の特許を気にせずに事業がしやすい！
というような状況になりますので、
「１件の特許の強さ」という意味では
小規模の事業者さんの方が
「事業をやりやすく、特許が強くなる」
という事になります。
■iPodの特許の事例
少し複雑な例ですので
事例に合わせてご説明させてもらいます。
iPod特許という
iPod特許侵害訴訟という
書籍が出ていますが
この書籍の題材になった実話です。
皆さんご存知の
Appleのオーディオデバイス「iPod 」
こちらの商品が一個人の日本人の特許侵害していたというお話です。
Appleはこの個人の発明家に
「最終的に3億円を超える損害賠償を支払った」
と言う事例になります。
この時、個人の発明家は
自分では商品を実施すらしていなかった。
事業で言うとほぼ0の状態ですね。
0の事業だったので
「事業規模が非常に小さい」
と、いうような状況だからこそ
「１件の特許」が
「非常に大きな価値を生み出した」
という事例になります。
このように
事業規模が小さい
個人事業・個人の発明家ですと、
事業規模が0の場合
「１件の特許」が仮に
「大手の事業、商品に使われていた」
と言うような事になると、
非常に大きな価値を生む。
「相対的な知財力が非常に高い状態」
そういったものが
「相対的知財力」
という考え方になります。
事業規模が小さければ小さいほど、
「特許の意味は大きい」
と言うことを理解して頂いて
知的財産というものを
特許というものが
「相対的知財力」になります。
本日は以上になります。
ありがとうございました。
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