アパレルショップ店員は知っておきたいVMDについて(大阪・ファッションスタイリスト)
■ファッションスタイリスト講師のプロフィール・レッスン詳細
質問:
先生が専門学校やアパレルショップの研修で行われているVMDのレッスンについて教えてください。
石川先生:
例えばVMDの授業では
プランニングシートっていうのがあって
専門学校ではこれを前期と後期で行います。
実際今日も90分授業をやってきたんですけど
VMDの基礎っていう授業で
そのコマ割りのその項目と講義内容と書いた
プランニングシートを作って授業の計画を立てます。
実際のところ例えばまず最初の4月の一回目っていうのは項目としては
VMとは何か?っていうふうなVMDの考え方を伝える講義内容。
なぜVMDは行うのか?
目的とか あとはそのVMDの効果について授業してるんですね。
そこにテキストにもあるんですけど
三つの役割っていうのがあって
例えばそのウィンドウのVP(ビジュアルプレゼンテーション)いうのと
POINTプレゼンテーション。
あと細かく見せるアイテムプレゼンテーションっていう三つの役割の説明をします。
サイレント接客って言われてるので、いちいち販売スタッフがいなくても安定と陳列で一人の販売員以上の勤めをができるというところでVMDはこういう意味があるんだよっていう説明からスタートするんですね
ただ授業なのでじゃあそのお客様視点での買い場づくりっていうのはどういうのがいいんだろうということで 、
私の方でその陳列方法で
ゾーニングのやり方とか
レイアウトのやり方とかするんですね。
その時に学生たちに教材を作ったんですけど
それをゾーニングさせて
例えば星印と○△□とかパーツがあるんですけど、
それをまずグループで分ける作業から入ります。
そこから今度はじゃあ
赤のレイアウト青のレイアウトで色分けしたりして
好きにレイアウト作るっていう風な実習を入れ込んだりしています。
実際のところ
視覚効果の重要性の互換だとか
色の三属性だったりとか
アイドマの法則だったり
そこで初めてあの店頭の構図の
カラーレイアウトっていうのを
みんなに考えてもらいます。
雑誌かいろんな色を切り抜きして、
カラーレイアウト表を作らせる。
授業ってやっぱりもう座ったまま聞くのって
しんどいから必ず実技を入れてるんですよね
そういうやり方の中でまあこういうことが重要です。
あと具体的には
ゴールデンスペースとかね
デッドストックの場所とかね
結構、人間工学に基づいてサイズとか全部割り出されてるので
そこら辺の認識だったりとかあとはその構成ですね
三角形構成
対象構成
比対象構成
リピート構成
というのを一応ガイド的に教えて。
で今日からいよいよあのトルソー・ボディなんですけど、
マネキンを使って三角構成をして服を着せて提案するとかね。
そういうふうなこう実地に結びついていく最初の導入部分を学んで頂きます。
次が展示の法則で、これはまあ私が自分で作ったんですけど
普通のカラーのコップあるじゃないですか?
コップの一つのマグカップでもいいんですけど
マグカップは上から見えるし横から見えるし、
いろんな角度から見えるし。
一つのコップでも5通りの見せ方を。
そしたら当然5つアイデアが出てくるんですよ。
携帯販売会社だったとしても
昔のガラパゴス携帯で言うと
畳んでるところと開いているところと
使い勝手を見せるための
やっぱり陳列仕方ってあるので
そういうところも考えるきっかけになればということで
ポップを使ったそういった商品の見せ方をみんなで学んだりとか 。
今回お問い合わせ頂いている子ども服の売り場のマネキンやVMDだったりは
少年・少女が高いのって150cmになるんですよね。
だから110 130 150ってとこで
まあ新生児からちょっと大きくなったら80cmぐらいから
提案の中でまあちっちゃいトルソーになっています。
でも実際その80cmだけどサイズ展開はすごくあると思うので
そこでやっぱりこうレディースとかメンズと違うのは
陳列って全部サイズを出すんだと思うんですよ子供服って。
あとはあの畳がちっちゃいですよね。
だいたい業界では 60cm 90cm 120cm 150cmっていうふうな
ラックで店頭って組み立てられるんですよね。
子供服売り場って小っちゃい赤ちゃんだからといって
ラックがちっちゃいはないんじゃないかな?
質問:
マネキンのコーディネートは大人子供関係なく大事なことってありますか?
先生:
一緒です。
まさしく今日、まさに授業でやってたんですけども
結局あのトルソーを一体でコーディネートするのって普通に企画側から言ってきたスタイリングそのまま着せると思います。
ところが、例えば友達同士で何々のイベントの時に着ていく服とかなると
ちょっと友達風な感じで二体構成で作ったりするんですよね。
そうする時にトルソーって並列か前後で並ぶのと
それによってその2体構成のカラーコーディネイトいうのがポイントになってくるんですね。
そこで「子供らしさ」とか「楽しさ」とか少しこうムービングな雰囲気を出すっていうのはまた違うかもしれませんけれども。
6:3:1の法則っていうので
いつもコーディネートで見ますけど
三色以内でものをコーディネートして決まる。
6割がベースで3割がアソートで1割がアクセントと言うことです。
それを二体であのいわゆるクロスコーディネートをしてカラーをね。
クロスコーディネートして
二体で一つのテーマを訴求する
っていうのがもう
コーディネートの基本なんですよ。
それが3体になろうが10体だろうが
そこで初めてリピート構成だったりとかしてくるので
そこら辺の陳列の仕方っていうのは訴求はできると思うんです。
1社目の時は、ほぼほぼファッションアドバイザーとしての教育っていうことがメインだったので
どちらかというとそのVMDってよりはビジネスマナーから始まった接客をしてたんですね。
それはまた新人教育からフォローアップ研修からパワーアップ研修・店長マネージャー研修とかそういったことを合宿したりとかっていうのもで。
具体的にVMDの関連の2社目に入ってからでしょうかね。
元ワールドのデコレーターの有名な先生から実際に半年ほど直接ご提示いただいて完璧なそこに自分でノウハウが積み重なっていうところでやれているので。
だいたい月のうち半分ぐらいの出張だったので
実際にその得意先の地方圏に行って売り場を全部編集し直したりとかですね。
そういうことでしたら自らがしっかりインストラクションしてやってきたっていうのは実績です。
14年間のこの期間が一番VMDを扱っていました。
だってもうミセスだったので
販売スタッフの人も40〜50歳の大人なのでね
そんな20歳とかそういう風に学生に教えるようなそういうレベルではなかったので
そういう意味ではやっぱりもっと高度な接客技術だったりとか顧客づくりだとか
あとVMDの見せ方っていうところで
当然まあ本社に 一方で企画立案したものを店頭に落とし込むので
一か月ごとのそういったVMDマップっていうのも作ってそれを店頭に発信して今多分メールでやってると思うんですけど。
当時は全部印刷物にしてでそれを店頭に配って
それが実際に出来ているのかっていうのをそこでパソコンの画面見て
ライブではないですけど担当のファッションアドバイザーの方に
「何番目のラックのなんとかの色を変えたらどうか?」とかね
でもやっぱりあの年代層が上だったので
それでもなかなか通じないから
直接言ってマンツーマンで教えたっていうのが実情ですね。
私はショップコーディネーターっていう役職を持ってて、
ファッションコーディネート・セールコーディネーターって
私がやってた役職です。
質問:
先生いらっしゃったときってもう全国でもう何店舗ぐらい回られたんですか?
私は西日本担当だったんですけど沖縄まで
だけど本部がもちろん企画が東京にあったので
東京の規格とのまあセッションでそういったあの発信物を作ってて
だから当時は全国で何店舗もあったのかな ?
5-600店舗あったんじゃないですかね?
西日本はその半分ぐらいかな?
でどんどんまあ時代が変わって 会社の中でのセレクト的な店が増えてきたんですよ。
坪数は30坪の店舗のマネジメント。そんな感じでしたね。
企画側からこの服にはこういうふうなコーディネートするっていう
スタイリングマップが絶対あるんですよ。
最初は入荷したらそれごとで消せるけど1個売れて2個売れて、
勉強してなかったら結局再編集したときは多分スタイリングができないと思うんですよね。
そういった時にやっぱ2体でコーディネートした時のムービングをどう出すか?とか
あとはテーマがあって例えば子供服のカットソーのフェアってする時にマネキンだけじゃなくて実際はラック構成が重要だったりですね。
そういうのが一番本当に重要なんですけど
だからマネキンだけだったらもう本当に実際に現場行って教えた方が早いです。
企画のテーマに合わせてっていうところで
スタイリングマップがある程度のメーカーがもうそういうの作ってるから、
それをどう現場に落とし込むかっていうのはもうまさにVMDの知識は重要です。
ただその企画がもう適当に
売れてるものを見境なくガンガン投げて
店にその展開方法を丸投げしにしているケースもありますからね。
そうすると 感性でやってるから 絶対もう売り場はショートするわけですよね。
だから例えば七五三の服の提案とするじゃないですか?
日本だったらね。
子供服の提供としては例えば子供服のちっちゃい紺ブレとか、
あとは女の子のかわいいセーラーカラーのジャケットとか、
もう絶対3型提案しますとします。
3型に合わせるようなインナーと
女の子だったら例えばタータンチェックのスカートだったら
男の子だったら半ズボンだったりとか
ある程度の一つの軸のあるアイテムに対してコーディネート。
スタイリング例で、企画が三パターンぐらい絶対提案するはずなんですよね。
このコーディネートが売れたら
じゃあ違うコーディネート
組み直しになると思うのですが
じゃあそこでやっぱり大事なのは
カラーの使いかたですよね?問題はね。
色相環の使いかたの自然の流れに置いた
サイドとか明度とか色相の基本の知識がない販売スタッフだったら
やっぱりそういうのは一応受講してもらったほうがいいと思います。
すぐその場で教えることができても
根っこの考え方を
学校でも習って欲しいって思います。
基礎がないとできないと思うので。
段階おいた指導はして行かなければ、
マネキンだけではなくて本来の
「陳列する」という風なことができないんです。
そのマネキンだけじゃなくてね。
たぶんこう店の中で
こういろんなスポットを作る時に、
これアイランド構成っていうんですけど、
アイランドっていうのはあの島じゃないですか?
だから 今言ってるそのマネキンの陳列のVPって言ってウィンドウに飾るね。
大見出しの「これがうちのうちだ」っていう立派なウィンドウディスプレイがあるわけですね?
アイランド構成というのが一番こう日銭(売上)を稼ぐというか、
一番そのホットスペースで売れ筋のものを
何回も着せ替えて展開させる
っていうものなんですけど。
お店の中が大きな土地だったら
そこにちっちゃい島をいっぱい作って、
さっきのトルソーを使っていって
お客様を中まで誘導させるような。
いわゆる導く線をつくる誘導線を作ったりとかで
色もあの後退色と進出色っていうのがあって
後退色っていうのは分かりやすく言ったら
黒とかグレーとかですよね。
で、進出っていうのは赤色などですね。
だから赤の一色のやっぱりインパクトってすごいので
それをいかにも前に来ているように見せるがゆえに
一番奥にあってもあいキャッチャーされると。
と言うふうな人間工学を学びつつ
そういうスポットを作っていくって
それが全部陳列なので。
マネキンのコーディネートだけ学ぶのではなく、
本来なら 店舗づくりのことを知ってもらいたいんなって私は思うんですけどね。
某有名アパレルショップのスタッフさんにVMDをご指導させて頂いた時は
想像してくれたらいいと思うんですけど
なんかこう結婚披露宴みたいな大きな会場を借りてね
そこに東京と大阪と別れた研修させてもらったでんすよ。
東京100名、大阪100名っていう感じで分かれてやるので
10人1組でも10組じゃないですか?
トルソーを10体だけを用意してくださって。
スライドを見てもらいながらコップを使って。
コーディネートディスプレイを机の
1200×600のステージに作ってそこにポップまでつけて。
VMD以外に接客のことも入っていました。
商品を使ってみんなでセールストークをどうするか?っていうふうな。
中国はで研修させて頂いた時はもう完全なる
壁面ディスプレイからトルソーから全部できたので。
あのお店の中に子供が遊べるような何か
そういうものをいたりとかしてる店も結構あるんですよね。
例えばトルソーだけじゃなくて陳列方法として
ステージディスプレイとかね。
例えば乳幼児が生まれました。
おばあちゃんがお祝いでベビー服買いに行きました。
ベビー服もちろんラックでかわいいんだけど
ベビー服を例えばギフトケースに入れて
何歳のコレコレで
そこにプロップスって言うんですけど小物使うんですよね。
例えば花を置いたりとか
そういった小物を使って
一つのいわゆる宣伝企画的なものの
ビジュアルをつくるっていうのも
陳列の中にあるので。
小物も売ってるとか、
そういう子供服なんかも
例えば東急ハンズでも小さい商品が多いじゃないですか?
まずそれを セグメントしなきゃなんですよね。
例えばシャンプー・リンス歯磨き粉だったら
シャンプーのグループと
歯磨きのグループとわけるじゃないですか 。
構成としては奥の方に例えば背の高いものを置いて
で自然に低いものを置いていくとか。
そういうようなこう基本的な陳列の方法があるんですね。
そういうのを学ぶっていうことも含めて
洋服ってさっきのコップじゃないけど
着せたら一番が出るからわかるけど、
畳んで提供したりとか
ラックで提供したりとか
ラックでも何色を何番目に入れたら
ラックがコーディネートラックとして見えるのかとか。
いろいろあるのでだから
マネキンだけじゃなくて陳列方法は色々ある っていうことを
あのお伝えできたらいいかなと思います 。
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